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2009年9月27日 (日)

夢か現(うつつ)か「小田原城 薪能」

今宵、小田原城で薪能(たきぎのう)が行われました。

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薪能とは、マリコ・ポーロごときが今更申すのもなんですが、篝火(かがりび)を焚き主に屋外で演ずるお能です。

よく時代劇で、貴族や殿や武将達が、夜、座敷でお酒を飲みながら、お庭で篝火をたき、お能(猿楽)を見たり、興が乗ると自ら舞ったりするシーンがありますね。あれを、神や仏に奉納する形でフォーマルに行うものです。


お能は、昔は大衆娯楽だったのに、今はむずかしくて専門知識がないとなかなか楽しめません。これは、お能に限ったことではないですけれど、特にお能はね。でも、薪能はちょっと違います。

アウトドアのせいか、能楽堂で姿勢を正して息をつめて鑑賞するのではなく、もう少々ですが楽な姿勢で見られます。


それなのに、夜の気や篝火のせいでしょうか、ただでさえファンタジーなワールドが、より一層広がるような感じです。お能のもつ、この世とあの世の狭間(はざま)の気配が、より一層濃密になるような気がします。

いずれにせよ、楽しいです。


私は、古典芸能も好きなので広く浅くいろいろ見にいきます。最近は年齢的にも社会情勢的にも、お金がないゆえ、3階席とかお手頃イベントとかチケットをいただいた時とかばかりになりましたが。

薪能も、京都南禅寺・靖国神社・近所の公園などなど行きます。能楽堂より安いし、公園なんかですと無料の場合もあります。春から秋にかけてアチコチで行われているので、皆様も是非、狭間のワールドに、つかの間、その身をおいてみてくださりませ。

そして今回、我が(?)北条の本拠地、小田原城での薪能。初めて行きました。背景は江戸時代の大久保さんの城を昭和に再建したものですが、闇と火の効果で、興がそがれません。美しいです。天守閣に魔物が巣くっていそう(それは姫路城か)。四千円也。以下にその時の模様を少し。


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駅でお弁当を買って、お能が始まる前に本丸跡にて、今日は八王子の銘酒「氏照」ではなく鉢形(寄居)の銘酒氏邦」で、亡き象のウメ子さんに 「献杯!」。

大久保殿も稲葉殿も、自分の城の本丸で象が飼われるとは、ドびっくり~だったわねえ。


 夕刻

おごそかに静かに北条太鼓が鳴り響く中、天守閣より、裃(かみしも)姿の方が、松明(たいまつ)を手に降臨。

火入れの儀です。


 それから、観光協会会長の、かまぼこ屋のおばあちゃまがご挨拶。

「このお城に対する思いは、人それぞれあるでしょう。・・・」

はい、ありますよねぇ。

「このお城あってこその、薪能です。今日、この薪能をご覧になって、小田原って素晴らしいと思ってほしい・・・」

はい、思いました。


後で、すれ違う時、何故だかニッコリ笑いかけてくださった。友人と二人で???


 続いて、カトケン市長

「…最後に一言。
60年、この小田原城に過ごした象のウメ子が亡くなりました。今日のこの場を、ウメ子も一緒に楽しんでいることでしょう…」

うう~ 
皆の者、泣けたぞ、市長どの。

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公園でのカジュアルな薪能とも、寺社仏閣での神がかった薪能とも、また違い、さすが武家のお城の薪能。身の引き締まる、それこそ時の流れを越えたようなひと時でした。


 最後の演目は、観世てつ之丞さんによる 「天鼓」

父子の深い情を描いたお能です。

私には、五代にわたる北条父子の絆が重なり、小田原城の舞台にぴったりだと思われましたよ。


座敷で脇息にもたれて、りりしいお小姓のお酌で、「くるしゅうない」なんて言いながらお酒を飲みながら見られるとよいのにのう(すいません)。殿になりたい・・・違うか、御方さま(おかたさま)か。

お能とお酒の酔いがさめず、狭間ワールドから抜け出られません。


小田原城の薪能は、中秋の行事として行われているそうです。

なので、次回は、中秋(十五夜)のお話をさせていただきとう存じます。


ほな、わらわもこたびはこれにて

う~せにけ~り~


コメント欄をもうけさせていただきました。公開はいたしませぬので、ご感想なりいただければ嬉しいです。画像は全てマリコ・ポーロが撮影したものです。画像と記事の持ち出しは平にご容赦願います。

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