木地師 山中の虎
マリコ・ポーロ
~美しいフォルム。マリコ・ポーロが普段使っている漆器は山中の虎が挽いたものが多いです。~
「根来 ねごろ」というと漆器通が好む代表格ですね。
「根来」とは「根頃」からきているとの説があります。「悩めるお年頃」とか「このキウィはそろそろ食べ頃」とか言うのと同じで、漆器の木地にするために、この木はそろそろ切りごろ」ということだというのです。それが、漆器の根来の由来になったと。
根来塗発祥の地は、言うまでもなく、紀州根来。真言宗豊山派の開祖、覚鑁かくばん上人の根来寺で、戦国時代は根来衆で有名なところですね。
実は、マリコ・ポーロの近しい親戚はこの豊山派のお坊さんなので、いろんな角度から根来に興味があり、もちろん根来に行きました。でも、これを書き出すとそれだけでこのページが足りなくなるので、いずれ追々、「高野山と根来の見聞録」を書きたいと思います。
で、根来塗。
根来塗とは、本来は、① 中塗に黒漆を → ②上塗に朱を施したものを → ③ 長~い年月をいとおしみながら使い込むうちに → ④ 孫子(まごこ)の代あたりに下の黒が出てきた状態が、すばらしいっ! となるものを言います。
しかし、それじゃあ最初に買った人はとっくに死んじゃってます。根来ってる状態が見られません。つまらないです。それで、最近では、朱の上塗をした後に、砥いで、強制的に下の黒をい~い感じに表面に出したものを、「根来」と呼び称しています。正確には「根来風」ですよ。
でも、仕方ないです。本物の何百年も使い込んだ「根来」は、たいそう高くて手がでません。たとえ買ったとしても、もう日々の使用に耐えません。鑑賞用です。漆器は使ってこその醍醐味なのに、これもつまらないです。
でも、先祖がより一層、漆器を大事にする人で、途中で「塗り直し」などをしていたら、永久に根来らないです。ここんとこが悩みどころです。
~うぃ~ 飲んだ飲んだにゃ~。中世の技法で塗られた朱塗りの盃。この写真は、ヤラセです。猫は飲んでまへん。~
ほな。
コメント欄をもうけさせていただきました。公開はいたしませぬので、ご感想なりいただければ嬉しいです。
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