八王子城よいとこ、一度はおいで
今回の記事、前半は重くてシュールです。でも、「戦国時代はカッコイイ~」「合戦ってカッコイイ~」ものではないということをあらためて認識したくて、あえて書きました。後半は重くないから最後まで読んでね
。
旧暦6月23日夕刻、両軍に多大な犠牲者を出し八王子城は落城した。勝った側がなさねばならぬことは、怪我人を保護し、犠牲となった人や馬を葬るという戦場の後始末だ。
山城戦の帰路は平地の戦と違い、たった今自分達が殺戮を重ねてきた惨状を見ながら山を下るという、なんともヘビーなことをしなければなりません。
特に八王子城の戦の跡は、前田利家、真田昌幸など歴戦の強者でも目を覆わんばかりの光景だっただろうものを、まだ若くそれほどの戦場体験がない上杉景勝や前田利長や兵士達はどれほどの衝撃を受けて見たことでしょう。現代ならカウンセリングが必要です。
「八王子城とオオタカを守る会」の重鎮Y殿はおっしゃいました。
「前田利家が自身の遺言状の中で、何度も八王子城の合戦のことに触れているってことはさ、それだけこの戦が大変な戦で、あれだけ戦場を歩いてきた利家にしてさえも、印象的な戦だったってことだと思う」と。
本当にそうだったのでしょうねえ。
千を越える数の遺体や馬(馬も丁寧に埋葬されたと馬の博物館で見た)を全て運び下ろすなどはとても無理で、多くはそのままであったり、所々に大きな穴を掘って埋めたりしたでしょう。八王子城の麓にも、それに使われたかもしれない穴跡があります(どこかは言わないけどね)。
今の暦では7月後半~8月半ばの真夏。すさまじい匂いが立ち込める(失礼)戦場跡で、たくさんの遺体に引導を渡して歩き、村の人達と一緒になって埋葬をしたお坊さんがいたそうです。氏照どのが滝山城の頃に開基し、氏照どのと共に八王子に移ってきた、大善寺の牛秀讃誉(ぎゅうしゅうさんよ)上人です。
そんな歴史をかかえた八王子城ですが、城跡には、暗くて重い‘気’がよどむ雰囲気はありません。ここまで読んでくださった皆さんも感じてると思いますが、判官びいきとかではなく(ちょっとある・・)、なぜか不思議に魅かれるものがある城跡だと思います。
~御主殿から大手の橋(往時は曳橋だった)を見下ろしたとこ。
来訪者はこの橋を渡ってきて、画像向かって左へ曲がる。門をくぐりながら、コの字型につくられた、2ヶ所の踊り場を持つ、26段の先広がりの美しい石段を上り、 冠木門をくぐれば御主殿である。石段の途中、門があった所に残る4つの基礎石や両側の石垣には、今でも焼けた跡が見うけられる。下から御主殿までの高さは10m~15mなり。~
八王子城は壮大で、それこそ「カッコイイ城」です。歩いていると、胸がズキズキする
城です(息切れじゃない。息も切れるけど、急峻だからね)。怖い城ではないのです。氏照どのは、恨んだり祟ったりする人ではありません。知らないけど、たぶん。城は、それを造った人に似ているはずです。現代でもそうでしょう。家を見れば、その家の主が分かると言います。
上に画像をあげた御主殿の虎口石段からも分かるとおり、八王子城は鉄壁防御だけの城ではなく、その城主と一門の威光を見せるための城。当時の関東以北では珍しい「おもてなしの城」構想があった城でした。
北条氏照が、日本中の戦国武将を、もしかしたら異国の使節をも、招き、自慢したくて、でも叶わなかった夢と覚悟の城を、420年後の今、ぜひ皆さんが見てあげてくだされ。
そして、「すごい城だぞ、氏照っ!」 と、八王子城の中心で叫んであげてくだされい。 (はちちゅう・・)
私はまだ八王子城の半分も知りません。でもね、八王子城の管理棟には、サル殿下の城の「おもてなしイケメン隊」ならぬ、「おもてなしイケジジ隊(おもてなしお方様も数人)」がいますよ。皆さん私なんかより全然詳しいですが、中には数人、その当時いたんじゃないの?ってくらいの八王子城生き字引がいらっしゃいます。なんでも聞いてみてください。
(電話をすると、「はい、八王子城です!」と、嬉しそうに出るのが可笑しい。他の城だと、「○○城管理事務所です」とか「○○城ガイド詰所です」とかなのに。「氏照どのお願いします」とは言わないように。)
と、くだらないことを言ってる場合ではありませぬ。7月5日は小田原本城開城、11日は氏照どの切腹です。次回は小田原本城の予定なり。あんまり重くしないどく。
先の、氏照と八王子所のカテゴリーの記事を合わせて読んでいただけると助かります。
(2011.11 加筆
近年、八王子城も、徳川直轄となった後かなり改修をしているとの見方があります。それについてはいずれまたご紹介します。)
ほな。
コメント欄をもうけさせていただきました。公開はいたしませぬので、ご感想なりいただければ嬉しいです。
画像は全てマリコ・ポーロが撮影したものです。画像と記事の持ち出しは平にご容赦願います。
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