上杉博物館 「重陽の節句展」 in 米沢
~3年連続この日はこの写真(つまり8才の時のマルゴー姫)~
今年もあますところ、あと4ヶ月。早いものですねえ。3月11日以降の数ヶ月がぽっかり抜けてしまっているようで、今年はよけいそう感じるのかもしれません。季節はすでに秋です。「マリコ・ポーロの後北条見聞録」もはや3年目に突入しました。人生、あっという間です。
さて、今週末(金)の九月九日は、「重陽の節句」にございます。縁起の良い「九」の数字が重なる「重陽」です。「菊の節句」ともいいますね。菊の持つ霊力で邪気を払い不老長寿を願う、はるか昔から続いている行事です。
今、米沢上杉博物館の文華館では、「贈答~重陽の節句」という企画展が催されています。イチオシは、国宝上杉家文書の「豊臣秀吉朱印状」のようです。
北条運命の年である天正18年のもので(比定?)、上杉景勝が秀吉に小袖と初鮭、鶴松君に小袖を贈ったことに対する、殿下からのお礼状です。小袖は、重陽の節句の定番の贈りものだそうですね。
小説や、資料・史料などを読んでいると、「重陽の節句」の場面がよく登場します。古典文学はもとより、赤穂浪士でも出てきますし、里見最後の当主・忠義さんが国替(配流)を言い渡されたのも重陽の節句のご挨拶に江戸城に上がる時でした。
また、天正17年の「重陽の節句」にも有名なちょっとした事件ありましたね。秀吉への重陽の祝賀を申し述べる順番を、前田と上杉で争ったアノ事件です。関東管領だった家の立場をひけらかして小賢しいことを申し述べる兼続を、前田の重鎮(家老)村井殿がはねつけた、あの小気味いい話。
上杉文華館の「重陽の節句展」は、9月27日(火)までですが、7月のテーマは「珍しきもの~特産品」で、われらが兄上さま(北条氏政)の書状が展示されていたんですね。例の、氏政さんが謙信に江川酒と蜜柑を送った時の書状です。見たかったな。上杉博物館の展示はいつも充実してます。
小田原北条家にも全国からのたくさんの書状が保管されていたのでしょうね。滅ぼされた家は、残ったものを処分されてしまいますから、北条家が他家から受け取った書状はあんまり残ってないようです。残念ですねえ。謙信公や信玄や信長や政宗公が北条に宛てた書状はもっともっとあるはずですよね。見たかったですねえ。
今週は、菊の花を飾り、今この国にまとわりついている邪気を払い、私たちみんなの長寿と健康を願いたいと思います。
以下、以前の関連記事なり。
「九月九日は・・・」
http://maricopolo.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-c9d0.html
「北条氏政が謙信公や信長にプレゼントした江川酒」
http://maricopolo.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-493e.html
コメント欄をもうけております。公開させていただいてはおりませぬが、ご感想なりいただければ嬉しいです。
画像は全てマリコ・ポーロが撮影したものです。
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