大河 「武田信玄~小田原攻め(永禄12年)」 感想
~三増の浅利信種殿の墓所から、永禄12年、武田勢が退却(?)した信玄道を見下ろしてやった図。~
大河ドラマが大好きなのにここ4年間の大河にハマれず、「利家とまつ」や「功名が辻」、大好きな「武田信玄」での北条が出ている回だけを、オンデマンドで見直しました。(同じく大好きな「独眼竜政宗」や「風林火山」はオンデマンドでは見られないんですよ。)
そうしたところ、「武田信玄」で、永禄12年前後の武田の駿河進攻の一連の流れが一話になっているのを発見。もう20年以上も前の放送だったからすっかり記憶からとんでいました。当時は北条にも今川にも興味がなかったので、ドラマを見ててもよく分からなくて流していたんでしょうね。
わらわ、先週からチョイと永禄12年に行っておったたゆえ、早速視聴。
面白い~っ!
これぞ、私が(私が、ですよ)求めている大河ドラマなんですよ。
この回は、薩埵峠を塞がれたことについての武田の軍義シーンから始まりました。そこへ、北条と上杉が手を結んだとの急報がはいります。
そうそう、「武田信玄」の上杉謙信は、きちんと(?)変わり者に描かれていて、でもカッコ良くていいでしょう。話はもうちょっと前の川中島の回のことになりますが、一人になった信玄 (中井貴一) と、やはり一人丘の上で放生月毛にまたがる謙信 (若かりし頃の柴田恭兵) がじっと見つめ合い、信玄が、「上杉・・・政虎 (まさとら)・・・」とつぶやくのが歴史オタク好みでよかったわねえ。
太刀を交えた後、ハシッと放生月毛を駆りながら去ってゆく謙信。最後にちらと信玄に振り返り、口の端だけでニヤリとしたのがかっちょよくて、一騎打ちは実はなかったなんてこたあどうだっていいくらいワクワクしたもんです(前にも書いたかな?これ)。
これも、何度も書いていて恐縮ですが、「風林火山」の氏康殿も漢気があってよかったですが、「武田信玄」の杉さまの氏康殿も風格があってまた違う氏康像でよかったですねえ。杉さまを見なおした(失礼)回でした。特に「氏康の挽歌」の回。しょっちゅう書いているので感想は省きますが、北条氏康の葛藤を、ひとつの回のメインにおいた大河は、これ以前も以後もないですよね。ぐっときましたよねえ。
「八千年の春」の回もかなり好きでした。こちらは、武田信玄の葛藤を描いていましたね。これを書きだすと長くなるので、いずれ、また。
おうっ!かなり話がずれてしまった。永禄12年の回に戻しましす。
信玄の駿河進攻と越相同盟と今川滅亡までをメインに、武田・北条・上杉・今川と場面はくるくると各家に変わり、放映当時より少しだけ知識が増えた今の私には堪能できました。
永禄12年の大きな出来事を網羅しながら、そこに信玄の人生観や戦観を語るシーンや、北条氏康が同盟を結ぶための手順や駆け引きを、まだ甘ちゃんの後継ぎ氏政さんに教えるシーンや、お館さま(信玄)と同陣できずヤキモキする海津城の高坂や、お屋形様(謙信)の美しい小姓
まで登場し、また、氏康・氏政二人のトラウマまでをはめ込んでいて、各方面の趣味嗜好?の視聴者が楽しめ、これで45分!?と驚いてしまいます。
武田の小田原攻めの前の軍義で、信玄が、「こたびは、こちらの姿を見せるだけでよい」というのも、ふむふむ、でしょ。原作者や脚本家や制作陣が史実やキャラクターをしっかり把握した上で、ドラマ的要素をトッピングしたり削除したりと 「改 良」 されたものには説得力がありますねえ。
ただひとつ!
ナレーションで「鉢形城、滝川城 を攻めた信玄は・・・」って。3回戻して聞き直した。滝川一益の城かね?こりゃアカンぜよ、時代考証の先生。我らが北条氏照どののお城は、「滝山城」よん。
「武田信玄」をまた全部見たくなってしまったわ。全部見るならオンデマンドよりレンタルの方がお得ね。
(おまけ)
「功名が辻」の小田原攻め
・ 北条が出てこない・・・。山中城攻めをチラッとやって、その次の場面ではもう小田原城内で論功行賞。
・ 千代は、お江さんと違って戦国の世に対応していた。出陣する夫に、「戦は嫌じゃ!」の一点張りではなく、ちゃんと、「ご武運を」と言っていた。
・ 清戸番衆(現代の)の武者殿がおっしゃるには、甲冑をはじめ衣装が素晴らしいらしい。
「利家とまつ」の小田原攻め
・ 山上宗二が話のメイン。いい事をおっしゃていましたよ。
「北条の当主さんは、さすがに早雲公以来のご名家だすよってに、品のいい茶~やで」と。まぁ~ね~、そりゃ~ね~。おサル殿下とかと比べたらねえ、全然ねえ。オーホッホッ
・ 大道寺が出ていたのね。鉢形と岩槻を落とす前に小田原にいて、鉢形を攻めながらお酒飲んでた。お酒でも飲まなきゃやってられなかったのよね、大道寺。
では、今宵はこれまでにいたしとうございます。 by 大井夫人(綺麗でしたね、若尾文子さんの大井夫人)。 コメント欄をもうけております。公開させていただいてはおりませぬが、ご感想なりいただければ嬉しいです。
画像は全てマリコ・ポーロが撮影したものです。
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