山縣有朋の、大~きな座卓
~「清閑亭」。座布団は10枚置いてありますが、ゆうに16人は座れますな。~
三年ってあっという間なんですね。
ドラマ「坂の上の雲」終わっちゃいました。最初、三年に分けて放送と聞いた時に、「それじゃ、次を見る時に前回のこと忘れちゃうじゃない!」と驚きましたが、内容が濃いために忘れませんでした。
じゃっど~ん、見終わって脳裏に残ったもんは伊予弁ではごわはんで、薩摩弁なのは何故でごわんど?
「坂の上の・・・」を見て思ったことがあるぞなもし。
私が原作を読んだのは、遥か昔三百年あまり前の学生時代のこと。あの頃は単行本で買ってたんですよねえ。司馬遼太郎は小学生の頃から読んでいたのですでにどっぷり「司馬史観」に洗脳されていた頃でした。
それ以来再読はしていないので内容の記憶は遠のいてはいますが、当時は他の司馬さんの小説同様「ふ~ん、そうなのか~」と全て丸呑みで読んでいたと思います。
それから数百年が過ぎ、それを読んだ頃よりほんの少しは歴史に詳しくなり、浮き世で様々なものを見聞きし、趣味嗜好や主義も変わってきます(というほどの主義は持ち合わせておりませんがね。主張はすれど主義はなし・・なんちて)。
ドラマ「坂の上の‥」のナレーションは小説の原文ですよね。この三年間そのナレーション(原文)を聞いてきて、当初読んだ時には感じなかった違和感を覚えるところがいくつか出てきました。第三部ではそれは特に強かったんです。私はね。
思ったことというのは、「坂の上の雲」の時代は私のカテゴリーではまったくありませんが、司馬さんの戦国時代物などでも、北条オタクとなった今読んだら最初に読んだ時とは感じるものが随分と違うかもしれないということなんですよ。ちょっと読み直してみますかねえ。
あ、「燃えよ剣」はいいんです。ずっと読み続けていますし、土方さんはあれで正解なのじゃ・・・と、一生思っていたいから。
またまた前座が長くなってしまいました。山縣有朋の座卓はどしたい?ですね。
~山縣有朋の「古稀庵」~
さて、秋山真之さんが小田原で亡くなったのはご存知ですか?
だいぶ前にも書きましたが、真之さんは旧友山下亀三郎の小田原の別邸「対潮閣」で亡くなりました。そのすぐ近くが、旧福岡藩主・黒田さんの別邸「清閑亭」です。山縣有朋の大~きな座卓は現在その「清閑亭」にあります。
「海よし山よし天気よし(by 斎藤緑雨)」の小田原には、財政界の大物や文豪達がこぞって屋敷を構えました。小田原城の二の丸には天皇家の御用邸まであったんですよ。
ブログに時々見聞を書いているので繰り返しになりますが、山下さんや黒田さんの他にも例えばですねえ・・・
▲ 伊藤博文
「滄浪閣」。今は‘跡’で、
土塁!の上に胸像↓が建っちょります。(石垣は新しい)
「滄浪閣」のあたりは、後北条時代、われらが殿・北条氏照どのの小田原屋敷があったところだと思います。もうちょっと海に向かって右よりかな?プライベートビーチだったんですよねえ、たぶん。
▲ 田中光顕
土佐勤皇党ぜよ。
建物は小田原文学館となっていて見学が出来ます。小田原ゆかりの北原白秋童謡館もお庭の中にあります。
▲ 大倉喜八郎
「共寿亭」。今は、料理屋「山月」。
とかとかとか。
▲ そして、「小田原の大御所」と呼ばれた山縣有朋の「古稀庵」。ドラマでは江守徹さんが演じちょられましたね。
トップ写真「清閑亭」の、山縣有朋の 大~きな座卓 は、元はこの「古稀庵」にあったものですが、「古稀庵」が民間に譲渡される時に引き取ったそうです。秋山真之は、「古稀庵」に何度か訪れていたようなので、この座卓も真之が触ったかもしれないですねえ。
「古稀庵」は日曜日だけ公開されています。建物はありませんが、お庭を散策できます。
▲ 山下邸「対潮閣」は、今は分譲されて数件のお家になっています。
このあたりは後北条の重臣山角氏の屋敷跡でもあり、山角天神という天神様があります。天神様には日露戦争でも活躍した海軍の瓜生外吉の胸像が建っています。瓜生大将の屋敷もこの坂の上あたりだったそうです。
「対潮閣」はもうありませんが、散策するにはとても感じの良い道です。晩年(といってもまだ50前)、療養中の真之がこのあたりを何を思いながら歩いたのか・・・。「坂の上の雲」を見終わった余韻があるうちに、是非行かれてみることをおすすめします。
▲ 福岡のお殿様の「清閑亭」では、
後北条時代の清閑亭土塁 と三百年後の素敵なお庭や、海を眺めながら、「究極の数寄屋造り」といわれているお部屋でお茶をいただけます。この夏に行った時のお菓子は、♪赤い鳥小鳥(by 北原白秋)のクッキーでした。
~清閑亭土塁。左側と後方から右後方が現清閑亭。土塁もそれに沿っています。土塁下の住宅街側から土塁を見ると迫力があります。先日の委員会でも報告がありましたが、このあたり少しづつですが、整備保存のために市が買い取っているようです。~ 2月4日は、秋山真之の命日です。
盲腸をこじらせた真之は、箱根で静養した跡、小田原山下邸へ移り、そこで最後の時をむかえました。終焉の地小田原では、それに絡めてシンポジウムが予定されています。
(内容)
「坂の上の雲」の主人公・秋山真之の命日(2月4日)にあわせ、ドラマや歴史・食をテーマにした、小田原の魅力の発信について考える。
(出演)
西川りゅうじんさん(地域活性化コンサルタント)
藤澤浩一さん(NHKドラマ「坂の上の雲」担当プロデューサー)
鎧塚俊彦さん(「一夜城 Yoroizuka Farm」グランドシェフ)
(日時)
2月4日(土)
15:00~17:15(予定)
(場所)
市民会館小ホール
(定員) 先着順で 300人
申し込みは、1月10日(火)から。観光課にて電話受付だそうです。詳細は、小田原市観光課にお問い合わせくだされ。
では、皆さま、良いお年をおむかえくださいませ。
今年一年のご縁に感謝しつつ・・・。 コメント欄をもうけております。公開させていただいてはおりませぬがご感想なりいただければ嬉しいです。
画像は全てマリコ・ポーロが撮影したものです。
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