« 年の初めは、パワースポット アーカイブ | トップページ | 1-2月の気になる後北条関係イベント(2015) »

2015年1月10日 (土)

岩明均 『雪の峠』 (1999)

56181318_2127973538_3large1
~講談社『岩明均歴史作品集』~


鴨居の大将のシングルモルトを飲みながら(マッサンを見ている人だけ分かる)、カササギの渡せる橋の白き霜のような星々を眺め(大伴家持より)、歴友が教えてくれた漫画を読めば、夜ぞ更けにける。

静か~な夜です。


主役は佐竹の重臣となる渋江内膳政光。関ヶ原直前あたりから久保田藩が確立されるまでの話です。

最初の、梶原政景(岩付の太田資正の次男)の松山城の回想シーンで上杉謙信が洩らす、 「雪の峠を越えてきたのに…」 の一言で ふわ~っと浮かんだ雪の峠の景色の残像が、物語を読んでいる間中ずっと脳裏にあったような、そんな作品でした。


変わる時代へ順応できる人、出来ない人。誰も間違っていなくて、それぞれに、越えてきた 雪の峠 への思いがある。

実際に 雪の峠 を越えて配置換えとなった佐竹だけではなく、あの時代、どの家中にも同じようなことがあったのだろうと思うと、静かな夜更けに読んでいたせいもあってか、なんだか、しんみりしてしまいました。


56181318_1938712957_50large1_3
~岩付の交差点~


出羽の国に移封されて国府の場所を決める時の、鉄砲に備え近世へとつながる新しい時代を見据えた商業ベースの町づくりを提案する武士と、いまだに戦国の弓矢の時代の要害を主とした城づくりを提案する武士の対比と、そこに絡む様々な思惑が面白いです。

私達はその後(のち)の歴史を知っているから、300年続く戦の無い時代がすぐそこで「この時代に山城は時代遅れだよな~」と思いますが、当時生きている人達はそんなことは知らないですものね。


最後の2ページ。そこを読んで、「ふ~む。なるほど」と少し救われました。この漫画より10年余り後に作られた映画「のぼうの城」のラストはちょっと似ていますね。

「雪の峠」 、いい作品だなと思いました。2度読み返しました。 雪の峠 の景色を見たくなりました。教えてくださった歴友氏に感謝です。

 

4_2
~上野(こうずけ)の国から望む雪の上越国境~


マリコ・ポーロ こと 萩真尼

コメント欄をもうけさせていただきました。公開はいたしませぬが、ご感想なりいただければ嬉しいです。画像は全てマリコ・ポーロが撮影したものです。

にほんブログ村 歴史ブログへ
にほんブログ村

|

« 年の初めは、パワースポット アーカイブ | トップページ | 1-2月の気になる後北条関係イベント(2015) »

8.時代劇・小説・なんちゃって小説など」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 岩明均 『雪の峠』 (1999):

« 年の初めは、パワースポット アーカイブ | トップページ | 1-2月の気になる後北条関係イベント(2015) »