« 寄席 というのはよろしいもんでござんすな | トップページ | 北条五代の娘たち ⑦ 錯綜する堀越(今川)六郎室 »

2018年12月25日 (火)

小田原北条▲講演会三昧(2018.12/2019.1)

マリコ・ポーロ


小田原陣図の秀次陣の件でコメントくださった方、ご返信させていただいたのですがアドレスが違うということで送信できませんでした。コメントありがとうございます。)


さて、
今に始まったことではありませんが、特にこのところ小田原北条に関する講演会が目白押し。それぞれが魅力的なので時間とパワーと財力(特に交通費)が許す限りは参加しておりますが、ひとつの講演会に行って、それをまとめきれないうちにまた次の講演会。なかなか随時アップできないでおります。以下にチビットづつのまとめの備忘。


また、まだまだ続く、これからの気になる講演会は文末に。


「武蔵大石氏と滝山城~関東の戦乱と大石氏の戦国領主化~」
講師:加藤哲(八王子市文化財保護審議会副会長)

Img_20181221_220603

当ブログでも度々お名前を出させていただいておりますが、今、八王子の北条・氏照研究者としては第一人者の加藤哲氏。氏は市史の編纂にも携わってらっしゃいます。

その加藤先生が大石氏について講演をされました。毎度レジュメは冊子のように充実。


講演は鎌倉府の成立から始まります。そうか~、大石を知るにはそこからいかねばならぬのか~。

そして話は、永享の乱→享徳の乱→景春の乱、鎌倉幕府体制の崩壊、戦国領主としての大石氏の発展、大石氏の系統、そして長井氏の滅亡→小宮領の編入→由井領の形成、由井城のこと…等々々、もうビッチリ盛りだくさん。とっても面白くて、メモも取らず聞き入ってしまいました。


しかし、大石さんと享徳の乱前後と由井城は拙者ニガゆえ(全部やん)、また、大石や由井城については諸説あり、間違い勘違いがあると申し訳ないゆえここに御講演の内容を詳しく書くのはやめときまする。

ちょっと驚いたのは、元々の大石の本拠地は 所沢~柳瀬川流域 だということ。八王子だとばかり思っていました。え?そんなの皆さんご承知?だからワテよく知らないってばさってばさ。峰岸先生の講演でも何度も伺っているのに申し訳ないことでございます。


しかし、それで ピン  ときました。

以前、柏の城と浄牧院と滝の城に伝わる、我が北条氏照にまつわる女のことを、第2の女だ第3の女だとブログに書きました。およそ女人に興味がなさそうな我が氏照に女の影が何人もあるのが腑に落ちませんでした。それも、その女達の影は柳瀬川流域に広がっている。

彼女たちって別人ではなく、全て正室であった大石の娘比佐さんのことなのでしょう。お墓が複数あるというささやかな疑問は残りますが、当時は2つ3つお墓や供養塔があるのは不思議ではありません。


「戦国の商業と北条氏照」
講師:徳永裕之(早稲田大学教育総合研究所外部研究員)

48079412_965738690290359_4386463924

徳永氏も、同じく八王子市史編纂委員です。

つい先日、小田原で小野先生の戦国時代の北条の城下町についての講演を拝聴したばからでしたので、興味の真っただ中での徳永氏の講演となりました。


氏照の城下町形成と商業政策という、史料が少ない中でも、浄福寺、滝山、栗橋、そして八王子…と、城下町整備を連続してとらえることで興味深い話をたくさん伺えました。栗橋ときましたよ。栗橋のことは失念しておりましたが、もしかしたら、たぶん、氏照は八王子より栗橋方面にいた方が長かったかもしれませんものね。

城下町といっても戦国時代でいうところの城下町は、江戸時代の城下町とは違う機能の城下町だということも良く分かりました。2時間たっぷりでした。


また、城下町だけではなく、関戸宿・当麻宿などの、宿の、「問屋」「問丸」や、氏照入部以前の八王子の商業形態についても、文書を元に解説がありました。たくさんの研究者の方の講演を拝聴しておりますが、こたびは初めて聞く話が多かったです。


「北条氏康の子供たち」
講師:浅倉直美氏

Img_20181220_095527_2

本拠地小田原の天守閣の映像をはじめとして、よく最後の華々しく滅びてゆくところが強調されるが、それは最後のたった数年のことで、その領国は武田・上杉の比ではない。ここのところを小田原の人はしっかりと覚えておいてほしい。

by 浅倉先生(僭越ながら要約)


一昨年発売された、『北条氏康の子供たち』の、早川殿・氏規・氏邦・新九郎(早世した氏康長男)についての内容に即した内容でした。

本では浅倉氏ではない研究者の方が書かれた項目もあったので、浅倉先生はどうお考えなのか、超最新の研究はどうなのか等々再確認したいこともあったので、とても興味深かったです。


ほかに以下…

▲ 馬の博物館に出ていた例の謎の北条少年像(文末に添付)についての、浅倉氏の素敵な仮説

肖像画の時代は、様々な検証から戦国期(ほぼ永禄期)で合っている。当時の誰かが描かせたと思われる。それは、瑞渓院ではないか。

氏康の肖像は、氏康死去後すぐに描かれたもの。その時は、ちょうど長男新九郎の17回忌にあたる。瑞渓院が、夫の肖像を元に早世した息子の肖像も描かせたのではないだろうか…。

肖像はたいがい年をとってから描かせるもので、若い人の肖像は少ない。あっても、もっと勇ましいもので、こういう悲しげな表情のものは無い、と。


新九郎くん(氏親?)については、本当に史料がないですよね。お墓も早雲寺でしたが、秀吉に焼かれてしまったから現存していません。残念です。

時々考えることがあります。

はたして生きて当主になっていたら、今の(今のか?)最強バディ氏政・氏照ペアはどうなっていただろうか…。代わって、新九郎(氏親?)・氏政ペアになっていたのだろうか…。それとも、新九郎・政・照の超強力トリオを形成したのだろうか…。だったら、当主の新九郎くんは秀吉の元へ出仕しただろうか。


考えてもせん無いことでありますが…。


▲ 寿桂尼の印判「帰」について。

今川に嫁ぐ時に父親が持たせたもので、「とつぐ」と読む…と言われているが、違うと思うとのこと。


やっぱりそうですか。「とつぐ」は妙だな~と、皆さん思っていましたよね~。来年は「今川義元生誕500年」で様々なイベントや刊行物が出るので、「帰」についてはそこで近々書かかれるそうです。 楽しみ!早く読みたいです。


これからの気になる講演会・企画展たくさん!

▲ 企画展「越山―上杉謙信侵攻と関東の城―」
嵐山史跡の博物館にて、2月17日(日)まで。

小和田先生の講演の締切もまだですよん。

HP→http://www.ranzan-shiseki.spec.ed.jp/?page_id=355


▲ シンポジウム
『武田信玄襲来!!-三国同盟崩壊と韮山城をめぐる攻防-』

謙信君の越山ときたら、信玄殿の侵攻ですな。見よ!この「ゴジラ」みたいなスペクタクルなタイトルを!


日時:2019年2月9日(土) 13:00~16:30
会場:韮山文化センター(韮山時代劇場) 

(講演)
・「群雄激突!永禄12年の世界」竹井英文
・「信玄襲来に備えた北条氏の城-東駿河・北伊豆を中心に」望月保宏(静岡古城研究会)

(シンポジウム)
司会: 齋藤慎一
パネラー:竹井英文 望月保宏 萩原さちこ(城郭ライター)

申し込み不要先着順、参加費無料(資料集300円程度)

伊豆の国市のHPで見当たらなかったので、シンポジウムのパネラー萩原さちこさんのHPをリンクさせていただきます。今年の夏に江戸川図書館での城講座に参加したのですが、とても話が分かり易く面白かったですよ。

シンポジウムのページ
https://46meg.com/blog/2018/12/13/%e3%82%b7%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%82%b8%e3%82%a6%e3%83%a0%e3%80%8c%e6%ad%a6%e7%94%b0%e4%bf%a1%e7%8e%84%e8%a5%b2%e6%9d%a5%ef%bc%81%ef%bc%81%ef%bc%8d%e4%b8%89%e5%9b%bd%e5%90%8c%e7%9b%9f%e5%b4%a9%e5%a3%8a/


▲ キャンパス小田原「郷土史から見た日本の歴史Ⅵ」
~早雲庵宗瑞のすべて~

講師:おだわらではお馴染みの石井啓文
日程: 1/24、2/21、3/21

Img_20181225_143552

キャンパス小田原のHP(PDF)
https://www.campusodawara.jp/global-data/20181214095929775.pdf

3回連続ですが、1回参加もできます。


北条とは関係ないですがこちらも気になる

▲ 新春お城びより
講演「江戸と江戸城の移りかわり」


3回目となる東京国際フォーラム開館記念事業「J-CULTURE FEST」は、お正月に様々なイベントが催されています。「新春お城びより」では、道灌びいきの会でお世話になっている太田氏の講演もあります。

ちょうど2日と3日に放映される公共放送のお正月ドラマは「家康江戸を建てる」。面白そうで楽しみではありますが、家康以前の江戸はなんもなくて酷い有様だった…みたいなことになるでしょう。太田さん、そんなことはないと是非お話しくだされませ。


日時:2019年1月6日(日) 14:00~16:00
講師:太田資暁(太田道灌第18代子孫)、堀口茉純(お江戸歴史作家)

要申し込みです。HP→https://j-cf.jp/2019/oshiro/


▲ シンポジウム「中世都市鎌倉と武蔵」
主催…河越館の会・中世を歩く会

日時:2019年1月26日(土)
会場:埼玉県川越市やまぶき会館ホール

(内容)
・「鎌倉の武家屋敷と河越館」
高橋慎一朗(東京大学)
・「鎌倉時代の武蔵武士と交流-河越氏を中心として」
落合義明(大東文化大学)

・「鎌倉時代の中世瓦から探る地域の繋がり -武蔵国を中心とするモノの流通・ヒトの交流の一様相-」
石川安司(ときがわ町教育委員会)
・「東西の王権とかわらけ」
田中信(川越市立博物館)
・「社会史研究をめぐって」
酒井紀美(元茨城大学・川越市文化財保護審議会委員)

・パネルディスカッション 
コーディネーター:
宮瀧交二(大東文化大学)
浅野晴樹(國學院大學)

入場無料、資料代は1000円。
河越館の会HP→http://kawagoeyakata.blogspot.com/2018/11/blog-post_9.html


オマケの「お城EXPO」

48419479_974027389461489_2260148968

小田原のブースで人生初のガチャ。大当たり~~カランカランカラン。大ウケ。大当たりは天守閣の入場券付きでした。小田原に行った時にはこのバッジをつけて歩きます。え、マジで?


萩真尼ことマリコ・ポーロ


「「柏の城」 北条氏照、第3の内室の最後」
http://maricopolo.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/ewi.html

『北条氏康の子供たち』のこと→「一枚岩じゃなかった、北条氏康の子供たち」
http://maricopolo.cocolog-nifty.com/blog/2015/12/post-9391.html
謎の北条少年像のこと→「「馬をめでる武将たち展」 馬の博物館(2017年)」
http://maricopolo.cocolog-nifty.com/blog/2017/11/post-3b49.html

「シンポジウム「戦国都市小田原の風景」 2018.11」
http://maricopolo.cocolog-nifty.com/blog/2018/11/201811-ac41.html

「寿桂尼と今川氏展」 島田市博物館(2017)」
http://maricopolo.cocolog-nifty.com/blog/2017/11/2017-29ad.html
「花蔵の乱~寿桂尼は恵探を擁立しようとしていた!?」
http://maricopolo.cocolog-nifty.com/blog/2017/11/post-9c3d.html

画像は全てマリコ・ポーロが撮影しました。コメント欄をもうけております。公開させていただいてはおりませぬが、ご感想なりいただければ嬉しいです。

にほんブログ村 歴史ブログへ

|

« 寄席 というのはよろしいもんでござんすな | トップページ | 北条五代の娘たち ⑦ 錯綜する堀越(今川)六郎室 »

5.後北条、企画展・講演会・イベント祭りなど」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 小田原北条▲講演会三昧(2018.12/2019.1):

« 寄席 というのはよろしいもんでござんすな | トップページ | 北条五代の娘たち ⑦ 錯綜する堀越(今川)六郎室 »