『太田資正と戦国武州大乱』中世太田領研究会
マリコ・ポーロ
~まつやま書房 2019.12.15 ~
ついに出ました!
特に太田氏関係では御教授いただいている歴友師匠方の共著です。楽しみにしておりました。
我らが小田原北条の好敵手。なのに北条ファンにも大人気の太田三楽斎殿。拠点であった岩付や、主な舞台となった坂東の戦乱の中心地のひとつであった比企はじめ、三楽斎殿や取り巻く人物の足跡を丹念に訪ね、史料を丁寧に調査し、通説(?)とは違う視点も含めてまとめられた本です。
目次だけ見ても興味津々。
(武州大乱前夜を考える)
太田家の出自 / 太田「道真」資清 / 太田左衛門大夫「道灌」/ 道灌の家族 / 養竹院殿義芳永賢の死 / 太田美濃守資頼…等
("反北条の岩付城主"の虚像と実像)
虚像の資正 / 実像の資正(武州大乱以前)/ 実像の資正(武州大乱の四年間)…等
(勢力として見る岩付太田氏)
戦国期の支配領域・城館・家臣構成 / 関東幕注文から見る岩付太田氏家臣 / その他の一族・上級家臣
第四章は、三楽斎殿や家臣たちが活躍した地の解説です。
(現代に残る戦国を歩く)
埼玉郡地域の岩付太田氏史跡 / 足立郡地域の岩付太田氏史跡 / 入間郡・比企郡地域の岩付太田氏史跡
携帯しやすい本なので、こちらを持って巡ってみたくなりそう。
著者の「中世太田領研究会」とは…
「太田資正を中心として太田家の支配領域について、歴史学者や地方史研究家の著作から学び、文書館などで原典にあたり、また現地に赴いて残されている遺跡を確かめながらそれぞれが学習した成果を持ち寄る会」
だそうです。
素敵ですねえ。小田原北条や我が八王子城と氏照にもこういう会がほしいです。(他人まかせにしないで自分が作れ!と言われこともあるが、単騎千里を行くことが多いので仲間がいない。羨ましくてござる。)
本のあとがきで、「…もっと他に書くにふさわしい方はたくさんおられると思うと恥ずかしい限りであるが」と謙遜してらっしゃいますが、皆さん本職は違えど研究者であり、単なる趣味の歴史好き同好会が出した本ではないです。本格物です。
また、「学者には書けない大きな疑問についても記すことができた」とあるのも興味津々のところ。
発売されたばかりなので「はじめに」と「おわりに」を読んだだけですが、今まで伺っていた研究会の方のお話しと合わせて考えると、この本は、現代の武州における三楽斎殿と岩付太田の 復権 の本だとも思いました。
年末からお正月にかけて、テレビはまた4時間・5時間の、同じようなメンツが大量に出て大声で大騒ぎしたり、大勢で食べ歩き「ん~、メッチャ美味しい~」と言ったりするような番組ばかりになりますね(←私感なり、大勢で楽しくにぎやかに番組を盛り上げている…という見方もあります)。
現代の武州でこの本をゆっくり読みながら、450年前の武州大乱に身を投じてみようか。
~充実の厚さですがソフトカバーで軽く、文字も大きくて読みやすい(出版社の人か?って)~
🐎 余談
俳優のモックンのお家は「鴻巣七騎」のひとつだった本木家なんですってね!ドびっくり~。来年の大河「麒麟がくる」で、大河史上最美 の美濃のマムシ殿を演じられますな。
よろしくば
↓
萩真尼 こと マリコ・ポーロ
画像は全てマリコ・ポーロが撮影しました。コメント欄をもうけております。公開させていただいてはおりませぬが、ご感想なりいただければ嬉しいです。
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