« どうする道灌&小田原北条ファン | トップページ | 氏照の「棟札」が重要文化財に指定! »

2021年1月18日 (月)

『国衆』 概念用語として ~黒田基樹氏講演(2020)

マリコ・ポーロ

医療介護はじめエッセンシャルワーカーの皆さま、ありがとうございます。本当に。


Img_20210117_110717
~戎光祥ヒストリカルセミナーのオンライン配信はレジュメもパソコンやスマホで閲覧&プリントできる~


研究は科学

概念規定には定義付けが必要


「化学」ではなく「科学」で良いのですよね?
なーんて質問を質疑応答でしたら、「頭悪いんじゃないか?もっと勉強しろ!」と叱られそう💦 だって、こたびの講演はより一層辛口だったので。。。


昨年11月の戎光祥ヒストリカルセミナーは黒田基樹氏「戦国関東の大名と国衆」でした。外出を控えていたのでオンラインで視聴しました。聞き洩らしたところなど何度も観られるので助かりました。

さて。


前にも書いたことがありましたが、「国衆」という用語にはずっと違和感を感じていました。最近の大河ドラマで当たり前のように使われているのも、いいのかな~と思っていました。

それが、今回の講演でクリアになりました。


「国衆」とは 史料用語 ではなく、概念用語 として用いているのですってね!これは、黒田基樹氏が20数年前に造った言葉なのだそうな。

知らなかった~。「もっと本や論文をよく読め!」ですね。すみません。


本当に、講演でおっしゃる通りで、「幕府」だって「戦国大名」だって「守護大名」だって史料用語ではないのに、大河ドラマで使われていても何の違和感も感じないくせに、なぜ「国衆」がそんなに引っ掛かっていたのか…。

お!でも、「暴れん坊将軍」では、「公儀」と言っていますよね?さすが暴れん坊。と、くだらないことに話をそらさないで「国衆」に話を戻し…


それまで「国衆」という言葉はあまり聞いたことがありませんでした(20数年前からとは ドびっくり~)。

急にある頃から頻繁に耳にするようになり、と同時に、「昔の史料にも国衆という言葉は出てくるけど、黒田さんの言う国衆はそれとは違う」という話を何回か小耳にはさみました。それだけで自ら調べることもせず、なんとな~く「国衆」は使いたくなくブログにも「国人」とか「在地領主」とかとか書いていました。


こういうのが、もっと勉強しろ!勉強すれば、明確な定義付けがなされていない何十年も前に造られた古い概念用語は使えなくなるはずだ!ということか…。

いや、マリコ・ポーロはそこまでもいっていない💦。だいたいからして素人なんだから、同じ土俵に立って考えるのはオコガマシイ。どすこいっ!


Img20170903_213722_20210118100201
~北条と千葉の関係の在り方は世田谷吉良・足利公方との関係と似ていることからも、千葉氏当主の格が高かったということが分かるそうだ。~


「戦国領主」「戦国期権力」「戦国期領主」、また、「国人」「国人領主」「在地領主」などの明確な概念規定がされていない用語や旧来の用語の使用が続いているのは…う~ん、私ごときには書きづらいのでこれは書かにゃいです。

しかし、一連のお話しを伺っていてマリコ・ポーロは勝手に思ったのですが、これらはそもそも中高の歴史教育に問題があるのではないか?なーんて。


さはそうらえども、黒田氏がおっしゃるには、概念用語の「国衆」という言葉は史料用語を元にしているので史料用語との区別がつきにくいと。

そうなんですよ!だから上にも書いたように、黒田さんの使い方は史料にある意味と違う…とおっしゃる方が多いのですかね。


そこで聞いたのが、「小名」。
勉強不足ゆえ初めて聞く言葉です。当時から近世初期にかけて使われていた言葉だそうですね。「国衆」を、あえて新たな概念用語で表現し直すとしたら、「戦国小名」か?と。

以上にからめ室町と戦国では所領形成が違うことを、相模三浦・上野岩松・信濃高梨などの例をとっての解説がありました。しかし、それを説明できる史料は少ないそうです。


注-1)
これらは関東・東北(ここでは鎌倉府秩序の中にあるものを言う)と、西や南の諸国とでは少し違うとのこと。

なるほど、以前の同僚に鹿児島出身で歴史を専攻した歴史好きがいました。「関東にも公方がいた??…そういえば習ったような気がするけど、なんだっけ?」でしたわ。関東では関東公方の存在が非常に重要視されるのに、違いがあるのは面白いですねえ。


注ー2)
例えば「国人」ですが、文書などで「国人」と使われている場合は、文書の中のそのままの意味で取ればよい。概念用語としての「国人」は成立しない。
(@_@)


068
~謙信と関東「大名層」との関係や、佐竹と関東「大名層」・従属国衆との関係についての具体的な検討は、ほとんどすすめられていないとのこと。(写真は 2008.2 の春日山城)~


また、国衆批判の議論を「実証的なもの」にするには、大名による領主への賦課役と村落への賦課役の弁別、領域権力による「国役」と領主による所領賦課役との弁別の、認識、が大切だと。

むずかちぃ~(~_~;)。ワテには調べられにゃい…。小田原北条家はこの区別が良く分かるそうですよ!残っている資史料も多いですものねえ。


この後、上の写真のところにチョロッと書いた「関東八屋形」「大名(たいめい)層」からのぉ~~、関東で古河公方が存在する中での戦国大名と国衆(概念用語としての)との従属関係とかとかまだまだ続くのです。

「たいめい」という呼び方も初めて耳にしました。黒田氏は講演中、終始「たいめい」とおっしゃっていました。


戦国大名とそれぞれの国衆(概念用語としての)との従属関係について、それを「従属」とみるか「同盟」とみるか、もはや「家臣」なのかという話もいくつか出ました。

ブログで私は「傘下に入る」とか「旗下につく」とかとか、その時の雰囲気で適当に見繕って(?)書いていましたが、これらにも規定があるってことですよね。全然気にしなかったです💦


盛りだくさんで書ききれず(全部マリコ・ポーロの解釈で書くのもよくないし)、また、ハショッテ書いておりますので誤解を生むことがあると申し訳ない。ぜひ、黒田氏の最新刊『戦国期関東動乱と大名・国衆 』を読まれるか(高いけど)、動画配信(2500円)をご覧くだされ。

黒田氏作図の新しい関連地図もいくつか見ることができますし、動画では質疑応答も視聴できます。質疑応答での北条の徴税や、氏政の戦の仕方など興味深いです。


戎光祥出版さんは前回お知らせしたように「在宅研究応援キャンペーン」で、今、20%OFF で本を購入できますし、動画もまだ購入できるようです。動画を購入すると動画とレジュメを開くURLがメールされてきます。

在宅研究応援キャンペーン(2/7まで)はこちらです → 在宅研究応援キャンペーン注文
動画購入はこちらです → 戎光祥ヒストリカルセミナーvol.23 黒田基樹先生「戦国関東の大名と国衆」

ワテはけっして戎光祥の関係者ではござりませぬが、とても面白かったのでオススメするものです。


萩真尼 こと マリコ・ポーロ

画像は全てマリコ・ポーロが撮影しました。コメント欄をもうけております。公開させていただいてはおりませぬが、ご感想なりいただければ嬉しいです。

にほんブログ村 歴史ブログへ

|

« どうする道灌&小田原北条ファン | トップページ | 氏照の「棟札」が重要文化財に指定! »

09.本・企画展・講演会・イベントなど」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« どうする道灌&小田原北条ファン | トップページ | 氏照の「棟札」が重要文化財に指定! »